辞任と解任
2016年03月30日 | 町田・相模原での創業サポート事務局
司法書士の佐伯です。
最近も相談があったのですが、役員のうち、一人に辞めてもらったのだが、手続きをどうすればいいのかというものです。
まず、役員、取締役としましょうか、取締役が抜けるのに原因は次のようなものがあります。
・辞任
・任期満了で退任
・死亡
・後見、保佐の開始
・破産
・解任
などです。
一般的には、辞任や任期満了で退任するケースがほとんどですが、先日の相談の内容もそうだったのですが『解任』というケースもあります。
辞任であれば、その取締役が自分の意思で辞めるわけなので、特の問題はありません。
しかし、解任の場合は株主総会の決議で取締役を『クビ』にするのです。
解任の決議は定款で別段の定めがなければ過半数ですることが出来ます。
ケンカ別れをして、辞任届をもらえそうに無い場合などでは、解任による手続きになります。
株主総会の過半数の決議で出来るので、中小企業の多くは創業者が過半数の株式を持っていることが多いので比較的簡単にすることが出来ます。
ただ、解任したとしても、その解任が正当な事由がなく不当なものとすれば、クビにした取締役から損害賠償請求をされる可能性があります。
特に残りの任期が多く残っている状態で解任すると、任期満了までの役員報酬の請求ということも考えられます。
さらに登記簿にも、その取締役が抜けた原因として『解任』と記載されるので、登記簿を見たら、この会社は役員間で何か揉め事があったのかなという印象を与えてしまいます。
まあ実際揉めたから解任になったのですが。
辞任も解任も、結果として役員が抜けることには違いはありませんが、上記のように色々注意する点も多いです。
やむを得ず、辞めてもらうことになりそうな場合には、協力を得られる状態の時に辞任届をもらっておいた方が良いでしょう。